2006年2月27日 (月)

「猛き箱舟」  船戸与一 著(集英社)

猛き箱舟〈上〉 Book 猛き箱舟〈上〉

著者:船戸 与一
販売元:集英社
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 ハードボイルドな国際小説です。

 その道ではとても有名な作家ですが、ご存知ですか?

 北アフリカの砂漠や東京を舞台に、とても硬派に書かれています。

 信念野望、そして男の生き様・・・・くぅ~!かっこいいっすぅー!!

 タバコの吸い方の表現が、またイイんです!

 「俺はあらためて紫煙を吸い込んだ。肺胞に広がるその懐かしい刺激が今は心地よくあちこちの筋肉を揉みほぐしてくれるようだった。」

 ってな感じです!

 主人公の若い野心が突き進んでいく砂漠の荒野が、血と硝煙で塗りつぶされていきます。

 裏切りの中で見出した己の信条と復讐心を糧に、「香坂正次」の人生は、正にクライマックスへと突き進んで行きます。

 私にはそんな野望も行動力もありはしませんが、この熱い物語の中で共に銃弾と砂塵の中を駆け回る事ができました。

 平穏な日常の中では絶対に経験することの無い「熱き思い」を体験させてくれる、そんな小説であると感じました。

 男らしい物語に惹かれるんですよねぇー。

 私ってば!

 自分に無いものへの憧れがそうさせるんですかね?

 文庫本で発売中です。80年代のフィクション小説としては、大絶賛の物語です。

 でわっ。

猛き箱舟〈下〉 Book 猛き箱舟〈下〉

著者:船戸 与一
販売元:集英社
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2006年1月22日 (日)

「鉄鼠の檻」 京極夏彦 著

鉄鼠の檻 Book 鉄鼠の檻

著者:京極 夏彦
販売元:講談社
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 「京極堂」こと中禅寺秋彦シリーズの第4作目です。

 時代ミステリーとでも申しましょうか、古風な雰囲気の中で物語は進行して行きます。

 たくさんの登場人物たちは、誰もが主役級の個性を持ったツワモノたちです。そんな中にあっても、主人公の古本屋さんは異様です。

 「拝み屋」を裏でやっているなんて二番煎じの設定ながら、その存在感は群を抜いています!

 物語の主軸となる『妖怪』たちですが、実際にその姿が出てこないってえのが良い味になっている気がします。その姿の見えない「妖怪」を退治していく姿がカッコイイですねえ~。

 この数あるシリーズの中で、特にこの作品を紹介しようと思ったのは、その仏教観に新しい発見をしたからなのです。

 「悟り」と言われる仏教の概念に、ビックリするほどハマってしまった自分がいます。

 自分に無い価値観を、今までの常識に無い新しい形で取り入れるのは、とても新鮮な喜びでした。

 「小悟、小悟を繰り返し、大悟に至る」・・・その先にある精神的ストレスからの脱却。私もそこに行って見たいものです。

 シリーズ全部を読むのは大変な作業ですが、その世界観に引きずられだすと止まらないことでしょう。挑戦してみる価値はあると思います。(え~、ちなみに「鉄鼠の檻」は827ページもあります。)

 それから・・・・・「超能力探偵 榎木津 礼二郎」さん。貴方の設定無理がありすぎますよ!そりゃあ貴方主役で物語も成立するでしょうよ!ご活躍、何よりです。

 ゴホンッ!・・・。

 講談社ノベルズより、たくさんのシリーズが発売中です。

姑獲鳥(うぶめ)の夏 Book 姑獲鳥(うぶめ)の夏

著者:京極 夏彦
販売元:講談社
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魍魎の匣 Book 魍魎の匣

著者:京極 夏彦
販売元:講談社
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2006年1月 9日 (月)

「ピアニシモ」  辻 仁成 著

ピアニシモ Book ピアニシモ

著者:辻 仁成
販売元:集英社
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 作者は『中山 美穂』のダンナさんです。その前は『南 果歩』のダンナさんでした。

 若いときはバンドマンで『エコーズ』のボーカリストでした。今はソロでアコースティックに歌っています。

 映画の監督をしたり、写真集を出したり(カメラマンで)、何かと多芸なオジサンです。

 15、6年前に、まだ当時は『エコーズ』と言うバンドをやっていた頃ですが、「すばる文学賞」を受賞し、作家として華やかにデビューしたのがこの作品です。

 私の地元(岡山)にある短大の学園祭にやってきて、

 「愛をくださ~い~ wow wow~」

 と歌っていた作者に、

 「オメデトウー!」

 って、観客の誰かが叫んでいたのを覚えています。

 『辻 仁成』は つじ ひとなり と読むんですが、音楽方面での【源氏名】は つじ じんせい だそうです。

 この頃の私は、当然 『じんせい』 が本名だと思っていましたが・・・。

 当時歌っていた歌詞がそのまま小説になったような内容で、単純ではない少年の心の中を、表現をボカシながら訴えています。目新しくはない手法での表現であったことは、多分、本人も分かった上で書いたのでしょう。メッセージを受け取るのは『大人』ではなく、文学的手法など何一つ知らない『少年達』ですからね。

 純文学とはいえ、あまりにスラスラと読み進めるので、『小説好き』には余り面白くないかもしれません。

 ただ私も、この本に出会った時はまだ少年です。好きだった『エコーズ』のボーカルが書いた小説は、心に深く刻まれました。

 もう一度10代の気持ちに戻った状態で、素直に読み込んでみたいと思っています。

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「雨の日には車をみがいて」  五木寛之 著

雨の日には車をみがいて Book 雨の日には車をみがいて

著者:五木 寛之
販売元:集英社
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 オシャレな短編集です。

 五木寛之さんがこんなオシャレなものを書かれるなんて・・・。今の作品群からは想像出来ないですねえ。

 確か20年位前の物じゃなかったかな?私が読んだのは高校生の時ですが。

 その頃は小説を読むといってもせいぜいが「SF」で、「純文学」っぽいのはちょっと苦手でした。しかし、或る時であった年上の方から、「太宰」「三島」なんかを教えて頂き、

 「ああ、俺なんかでもこんなの読めるんだ」

って感じ始め、その頃「SF」以外で買った最初の小説になりました。

 結構読みやすく、男女を問わずさらっとした雰囲気に入って行きやすい事と思います。特に『外国産の旧車』が好きな人にはオススメします。(ちなみに私は車に一切興味がありません)

 

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2006年1月 2日 (月)

「青狼記」 楡 周平著(講談社)

青狼記〈上〉 Book 青狼記〈上〉

著者:楡 周平
販売元:講談社
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青狼記〈下〉 Book 青狼記〈下〉

著者:楡 周平
販売元:講談社
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 元々はハードカバーで発売されていました。

 バンチコミックスで漫画化されています。(画:長谷川 哲也)

 中国史的な人名地名を使っていて、私はとてもすんなり入れました。

 儒教精神を根幹に据え、あたかも実際の歴史小説のように思わされたあたりは、「楡 周平って凄い!」と素直に感心させられました。

 「戦国冒険活劇」といったところでしょうか。

 「三国志」や「歴史ファンタジー」、「時代小説」が好きな方にはとてもお薦めです。

 何と言っても主人公の【荘 趙浚】(そう ちょうしゅん)がカッコイイ!!己の才覚、努力と強い信念を持って、立ち塞がる逆境を全て跳ね除けて行く姿は、正にスーパーヒーロー(すごい死語)!。

 でも、そのひたむきな姿勢に大変勇気付けられることでしょう。

 文庫本で上下2巻。コミックスでは1~6巻が発売中です。

 

     

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